空港から直接、仕事に向かう彼。

私は適当な所で降ろしてもらう約束だった。




思いの他、道路も空いていて

彼が会社に戻る時間まで2時間弱あった。


「お前、これから何か予定あるの?」



有休も取っていたし、暇だから

美容院にでも行くつもりだった。



「お前の顔みたら、やりたくなった」

そう言って、ホテルに向かう車。



久しぶりに会えた嬉しさよりも、身体?

そんなの寂しくて、気持ちが冷めちゃうよ。



ホントの気持ちは言い出せないまま

朝の出勤時間帯にホテルに入る車

いつも以上に罪悪感を感じてしまう。



部屋に入ると、いきなりベットに押し倒された。


「待って」


スカートの中に入りそうになった

彼の手を握った。



「会えない間、私イジケなかったよ」


そういうと、ギュッと抱きしめて

頭を撫でてくれた。



「いい子だったね」



会ってすぐに、こうしてくれたら

どんなに嬉しかった事だろうか。




10日ぶりに身体を重ね、快楽を得たけれど

する事だけした1時間。



確かに気持ちよかったけれど

虚しさが残るのは何故だろう。



あんなに会いたかったのに。

こんなに好きなのに。


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